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表彰の楯はわが家の宝

伊藤光子
新潟県
昨年は「母をたたえる会」で表彰して頂きありがとうございました。お陰さまで光彦も学校はじめ関係者のご厚意で、新潟市の大谷印刷会社に勤務、すでに十六年になります。息子を育てたことは表彰して頂くようなことではなく、親として当然の務めで、立派なことをしたわけでもありません。でも楯を頂いたことで、苦労も吹っ飛んでしまいました。楯はわが家の大切な宝物となりました。
振り返れば昭和三十三年の正月、二男として誕生し「健康な可愛い子」と周囲から祝福され、日増しに大きく成長しました。寒中も過ぎ去って暖かい春が訪れたが、季節の変わり目で風邪を引いてしまいました。高熱におかされ、俗に言う「ヒキツケ」をおこし、村の医者に往診してもらったところ、すぐ治ってその後は元気になり動き廻りました。
六月になり梅雨に入り蒸し暑い夜、泣き出し「耳だれ」が出ているのに気付きました。翌日、

 

 

 

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